設立趣意書


令和 3 年 9 月吉日

各位

呼びかけ人
末永博/阿部知幸

東北フードバンク連携センター設立趣意書

東北各地のフードバンク団体の皆様との意見交換をさせていただき、東北のフードバンクのネットワークが必要であるということについて、一定の共通認識を得ることができました。東北各県のフードバンク団体のネットワーク事務局機能として、先行的に事務所を仙台に設置するなど、準備を始めさせていただいておりましたが、改めて、東北フードバンク連携センターの設立に参画いただければと思います。つきまして、以下、内容をご確認いただき、趣旨にご賛同いただき、事業への参画をいただけるようお願いいたします。

1.背景

東日本大震災をきっかけに、震災前には見過ごされていた社会の不条理や、脆弱性が顕在化し、それらに対応するため、多くの取り組みが生まれ、セクターを超えた協力関係が構築され、これまでの復興は進められてきました。東日本大震災により顕在化した生活困窮者の問題は、元々地域が抱えていた課題です。この生活困窮者の問題に対応するため、東北各地にフードバンク団体が設立されました。

人口減少が進む東北において、公的福祉制度だけで、生活に困っている方を支えることはできません。現在、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う経済活動の縮小の影響によ り、収入が削減され日々の食事にも困っている方々が増えております。行政に頼りきりにならず、市民や地域も主体的に参画でき、地域の社会的資源を有効活用できる食を通じたセーフティネット(フードバンク)への期待は、ますます高まっています。東北各地のフードバンクが連携することにより、広く東北地方に「食のセーフティーネット」を広げ、誰も放置しない社会の構築に寄与したいと考えています。

2.目的

<短期(初年度)>

  • 東北のフードバンク団体による「東北フードバンク連携センター」が立ち上がり、全国規模のフードバンク団体からの食料分配や、東北のフードバンク団体間の余剰食料の交換ができるようになる。
  • 東北圏域を中心とした企業と、東北各地のフードバンクの窓口ができる。
  • 各地域のフードバンク団体の食料量や、困窮者支援の実績が増加する。

<中期(3 年後を想定)>

  • フードバンクに関する普及啓発が進み、個人、企業からの協力が増える。
  • 新規フードバンク事業の立ち上げが増える。
  • 各地の支援機関との連携が増え、食を通じたセーフティネットが広がる。

<長期(5 年後を想定)>

  • フードバンクに関する認知と信頼が増加する。
  • 企業プロボノや、個人ボランティアなど、フードバンク活動の運営への参画が増える。
  • 食料のみならず、寄付金なども増加し、運営基盤が強化される。

3.事業内容

東北6県における食料支援の拡大と充実を図るために、東北のフードバンク団体で、

「東北フードバンク連携センター」を設立し、以下の取り組みを実施します。

・東北フードバンクネットワークの構築

東北各地のフードバンク団体のネットワークを形成し、各種助成金などの情報や、フードバンク団体の余剰食料の集約・分配、共同勉強会の開催や、交流会を実施する。

・企業などとフードバンク団体とのコーディネート

企業などからの食品の提供やご協力の窓口となり、フードバンク活動に必要な資源を東北各地に分配します。

・フードバンク団体支援

フードバンク団体の立ち上げ支援や、運営ノウハウ共有、研修会の開催等によるフードバンク活動の基盤強化を実施します。

・フードバンク事業についての普及・啓蒙活動

フードバンクを通じ、地域内に生活に困っている方がいるという事実を知ってもらい、その解決へのアプローチに参画できる入口として認知され、専門機関も市民と協力し困窮者への対応ができることを知ってもらいます。フードバンク活動の普及・啓蒙により、地域全体で困っている方を支えるということが当たり前となる東北を目指します。